オトナも子どもも楽しめちゃう美術館!『滋賀県立美術館開館40周年記念 ブツドリ:モノをめぐる写真表現』/大津市瀬田

ロモア編集部

こんにちは、はりきりさんです!
素敵な展覧会を見つけちゃいました〜!

・高山 正隆《静物》1920-1929年 東京都写真美術館蔵

こちらの写真は滋賀県立美術館会館40周年BUTSUDORI ブツドリ:モノをめぐる写真表現で展示される1作品です。本、洋梨、そして楽器はバイオリンでしょうか。静かに3つ並べられているだけなのに、追憶とでも言いたくなるような、ノスタルジーな感情が湧いてきます。

もう1つ見てみましょう。

・島 霞谷《鮎》1860年代 個人蔵(群馬県立歴史博物館寄託) 群馬県指定重要文化財

こちらも鮎を俎上に並べただけ、ですが、当時の生活のありように思いを馳せたり、あるいは現代の我々がまな板に魚を横たえた時、この作品を見る前とは違う感慨をもたらす切り取り方のされた一枚ではないでしょうか。

こちらの展覧会は「ブツドリ(物撮り)」がテーマ。ブツドリという言葉は、元々商業広告などに使う商品(モノ)を撮影すること。本展覧会では重要文化財である明治期の写真原板、文化財写真、静物写真、あなたも知っている広告写真、そして現代アーティストの作品など、多種多様な日本の豊かな写真表現をたくさんご紹介しています。そして今回皆さんに、是非改めて、ブツドリを体験してほしいのです!


ふと目に入った日常の「モノ」にレンズを向ける。カメラを手にしたことのある人であれば、誰しもが体験したことのある行為ではないでしょうか。カメラからスマートフォンへ、撮影するという行為はさらに一般的になり、SNSの普及により「モノ」を撮影した多くの写真が世界中に溢れています。本展では展覧会の最後にドロップインワークショップ「Let’s BUTSUDORI ブツドリしてみよう!」があります。

200点以上の展示を鑑賞した後に感じたことを、すぐさまかたちにすることができます。子どもから大人までいつでも楽しめ、ご家族での参加も大歓迎!フォトジェニックなモノづくりが体現できちゃいます。

さらに楽しめるこども向けのワークショップもあります!

グラフようちえん in 滋賀県立美術館「写真作品を撮ろう」
2月8日(土)10:00~12:00、13:00~16:00
たいけんびじゅつかん「フォトグラムに挑戦!」
2月23日(日)13:00~16:00
(要事前申込・抽選)

また、大人向けに写真研究者を招いた、モノと写真をテーマとしたシンポジウムも開催!

シンポジウム「モノと写真:近代から現代へ、その視点」
3月9日(日)13:00~15:45

盛りだくさんなこの展覧会!!
せっかくなので、ごくごく一部になりますが、もう少し展示作品を一緒に見ていきましょう。

・小川 一眞《唐招提寺 破損仏・鼓楼》1888年 東京都写真美術館蔵

破損すれば魂も抜けるかと思いきや、欠落もまた美。少しだけミロのヴィーナスを思い出しますね。臆面なく真正面から向けられたレンズが存在を際立たせます。

・山沢 栄子《物体》1986年 東京都写真美術館蔵 ©YAMAZAWA Eiko

なだらかでポップ。シャンパンのように、ボトルを開けると勢いよく液体が飛び出るイメージでしょうか?くっきりとした色彩感覚が心地よいですね。

・安井 仲治《斧と鎌》1931年 東京都写真美術館蔵

本展覧会のバナーにもなっているこちらの写真。凄まじいのは、この2挺は用途としての価値から逸脱したところで並べられているということ。モノそのもの、といった言葉が似つかわしい一枚。いかに並べるかというのも、ブツドリの肝なのかもしれません。

終わりに

展示品は幕末から現代まで。私たちにとって身近なブツドリは実は奥深く、少し視点を変えるだけで身の回りのものへの眼差しが変わり、センスは磨かれ、普段のカメラの向け方も変わってくるようなラインナップになっています。掲載していない筆者イチ推しの川内倫子さんと小川晴暘さんも多くの方にご覧いただきたい!是非お友達や恋人、ご家族、そしてじっくりとお一人様でも、素晴らしいこの展覧会に足をお運びくださいませ。

公式ホームページ
【開催概要】
展覧会名:滋賀県立美術館 開館40周年記念
「BUTSUDORI ブツドリ:モノをめぐる写真表現」
会 期:2025年1月18日(土)〜3月23日(日)※会期中に一部展示替えがあります
休館日:毎週月曜日(ただし休日の場合には開館し、翌日火曜日休館)
開場時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
会 場:滋賀県立美術館 展示室3
観覧料:一般1,200円(1,000円)
高校生・大学生800円(600円)
小学生・中学生600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
※企画展のチケットで展示室1・2で同時開催している常設展も無料で閲覧可
※未就学児は無料
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方は無料
主 催:滋賀県立美術館、京都新聞
特別協力:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
協力:東京国立近代美術館
助成:公益財団法人 DNP 文化振興財団
企画:芦髙郁子(滋賀県立美術館 学芸員)

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