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下田なすプレゼント!!滋賀県産食材を使って調理した料理の写真と感想を投稿し、あなたの素敵なレシピを広めよう!!《おうちグルメキャンペーン》第3回のモニター募集!!

第2 回おうちグルメキャンペーンの「ぶどう」ではたくさんのご応募ありがとうございました!
当選された方のアレンジレシピをぜひチェックして調理してみてください!

さて、第3回は、モニター食材として初の野菜が登場!!
第3回の食材は…

\\ 下田なす //

今回は、滋賀県湖南市下田地区で栽培されている伝統野菜、下田なすをお届け!
水分がたっぷりのやわらかな実と薄い皮、そしてへたの下が白くなっているのが特徴です!

煮ても焼いても揚げても漬物でもどんな料理にも相性抜群な、なす。
幅広くアレンジの効く野菜ではないでしょうか♪
ぜひともみなさんが考える下田なすの“おうちグルメ”を教えてください!

応募方法や詳しいキャンペーンの詳細は下記URLからInstagramの投稿でご確認ください。
こちらからチェック!

そして!
下田なすの魅力をより多くの人に知っていただくために、「伝統野菜」かつ「環境こだわり農産物」として下田なすの栽培に取り組む有限会社ティアイケイ農産の盛岡利宏さんに取材させていただきました!

盛岡さんが重ねてきた工夫と、下田なすへの深い想い。
伝統を守り続ける栽培へのこだわりをぜひご覧ください。

約1万年前に始まったとされる農耕。人類は1万年かけて、より可食部が多く、安定的に育ち、その土地の環境に適応する品種を求めていった。日本では、弥生時代に稲作とともに畑作が始まり、ゴボウやカブなどが食べられていたという。

「伝統野菜」と聞くとつい手に取りたくなる方も多いのではないだろうか。伝統野菜という言葉自体に明確な定義はないが、滋賀県では一定の条件を満たす野菜を「近江の伝統野菜」として認証している。そのひとつ、下田なすは湖南市下田地区で栽培されてきた伝統野菜だ。

下田なすを栽培する有限会社ティアイケイ農産の代表取締役・盛岡利宏さん。同社は野菜のほか、米・麦・大豆など、60ヘクタールの田畑で生産している。盛岡さんは非農家の家庭に生まれ、幼少期はなすが苦手だったという。高校は工業科に進学したが、ものづくりは自分に合わないと感じ、商業科の短大へ進学。学卒後は甲賀郡農業協同組合(現:JAこうか)に就職し、営農経済部で野菜を担当することになる。そこで「地域で栽培される作物の品種を増やすこと」を目標に活動していた。

「当時、下田地区でなすと言えば下田なすでした。家庭菜園で作られ、ほとんどが自家消費されていました。この地域の特産である下田なすを多くの農家さんに作ってもらう活動をしていました。」

下田なすの認知向上と生産拡大の取り組みを通じて、農業の魅力に深く触れた盛岡さんは、28歳の時にJAを退職し、ティアイケイ農産に就職する。

「農業がおもしろいのと、自分で作ってみたくなりました。」

JA在職当時、認知度が低かった下田なすをより多くの人に知ってもらうきっかけづくりとして、盛岡さんは琵琶湖への環境配慮と、ブランディング施策の一環として、環境こだわり農業を推進した。下田なす生産部会では、いち早く環境こだわり農業に取り組み、部会員であるティアイケイ農産も継続して実践している。

「農薬を使えばもっと収量が増えるかも知れませんが、環境こだわり農業でも安定した収量が確保できるよう工夫をしています。昨年は猛暑の影響を受け、例年より収量が落ちました。そこで新しい取り組みとして、ソーラーパネルから給電して、自動で送水する装置を導入しました。今年も非常に暑い日が続いていますが、例年以上の収量があります。」

下田なすは一般的な品種のなすと異なり、大手種苗会社での取り扱いがない。そのため、種の確保から出芽、育苗まで生産者が自ら手がける必要がある。

「最初の頃は僕も他の農家さんから苗を買っていたんですが、先輩農家さんたちも高齢になってこられて、一番若い自分が苗づくりを覚える必要がありました。」

盛岡さんの下田なす栽培は、種まきから収穫、種の採取まで、一年を通じた丁寧な作業の積み重ねで成り立っている。

「下田なすにはダニがよく付くのですが、ダニがついた下田なすはヘタが真っ白になります。そのまま放置すると実にまでダニが付きます。環境こだわり農業では農薬の使用が制限されますので、ダニに対しては、天然由来成分で、かつ環境こだわり農業では農薬使用とならないものを使っています。ヘタについた時点ではもう末期ですので、ダニの兆候をいち早く捉えて、予防的に対応する必要があります。タイミングがとても重要な作業です。」

「昔は、地域の人は下田なすを『ハンジロ』と呼んでいました。手入れしなければ葉が茂り、太陽光を遮って、黒紫に発色せずに白いまま生育します。収穫に併せて、一緒に葉を落としていく作業が欠かせません。」

下田なすは長さ5㎝~9㎝と比較的小ぶりで収穫される。皮がやわらかく、アクが少ないのが特徴で、甘味があり、肉質はしっかりとしている。日の当たらない夜間に生育が進み、ヘタに沿って白いラインが入るのも特徴で、このラインが大きいほど、勢いがある証だ。生で食べてもえぐみもなく、甘味を感じるほどだ。多くの家庭ではぬか漬けや煮物で食されてきた。

「弥平とうがらしと一緒にぬか漬けにする家庭が多かったです。ピリッと辛い下田なすのぬか漬けは絶品です。ぬか漬けは手間がかかるということであれば、市販されている浅漬け用の調味料で漬けても美味しいですよ。おすすめは、切らずにまるごと漬け込む浅漬けです。皮が薄くて甘味のある下田なすをまるごと楽しめます。油との相性もいいので、揚げびたしも抜群です。」

盛岡さんは、新しく下田なすの栽培を始める若手農家への指導も行っている。今年から導入した自動送水装置も、自身が使用することで、その実用性を実験している。自社の利益の追求ではなく、下田なすをみんなで守っていきたいと考えている。

「下田なすは湖南市の伝統野菜であり、特産品です。ずっと続けていかなければならない。大手量販店さんからは、下田なすの取り扱いを増やしたいと打診を受けていますが、それには安定した出荷が不可欠です。そのためには、多くの農家さんに下田なすの栽培をしてもらって、より安定した収量を確保してもらう必要があります。町全体で下田なすを守るために、新しい栽培方法を常に模索しています。」

なすの花言葉は「希望・よい語らい」。常に新しい取り組みを模索する盛岡さん。それを自社だけでなく、多くの人に共有することで、下田なすを守ろうとしている。競争ではなく共生、語らいで繋がれる伝統が下田に息づく。

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