昨日、少し嫌なことがあった。
取材に行くかどうか、正直迷っていたほどだった。
石部…ちょっと遠い。外は、とても暑い。
そんなことをついさっきまで考えていたのが嘘のように、ここはとても穏やかな時間が流れていた。
古民家、自家焙煎コーヒー、ケーキ、本。そして、”自然体” という言葉が似合う店主。
DONGREE BOOKS & STORY CAFE
石部の町にある一軒の古民家を手作りで改装したというカフェ。

言わずと知れた…であるだろうか。
石部駅を降りた瞬間、目の前には初夏の青空の下、山が広がっていた。
ときおり爽やかな風が吹き、この暑さを忘れさせてくれる。
なんて空気が心地よい町なのだろうと感じた。
そこから歩くこと10分ほど。
住宅街に平然と佇む古民家が、今回訪れた【DONGREE BOOKS & STORY CAFE】。
隣にはおしゃれなコーヒースタンドも併設されているが、そんなのがあるとは思えぬ、そのあまりに自然体の姿に潔ささえ覚えたほどだ。

店内は温かみがあって、こころなしか呼吸がしやすい。



壁一面に並んだ数百冊もの本は、『栞本』という世界で一冊の古本だという。

本に挟まった栞には、持ち主の想いや本との思い出が記されている。
なんて優しくて、ロマンチックなのだろう。

気になった一冊を手に取り、店主・ドリーさんに淹れていただいたコーヒーとケーキをいただきながらのんびり過ごすことにした。

夏季限定の『スパークリングアイスコーヒー』

丁寧に自家焙煎された浅煎りの2種ブレンド豆を使用し、ハンドドリップで高濃度抽出したコーヒーと自家製レモンシロップを微炭酸で割った、まるでクラフトビールのようなフルーティーでややほろ苦いコーヒー。
今の心を読まれているような、それでいて目を覚ましてくれるような、そんな味がした。

『甘夏&アプリコットと芦北紅茶のタルト』

タルト専門店で腕を磨いたスタッフさんによって焼き上げられた季節のフルーツタルト。フルーツは自然の流れに身を任せ、なくなったらまた別の旬のものに。
このレベルの味をサラッと出されたら…。

美味しいコーヒーにケーキ、持ち主の体温を感じる本、ゆっくりとした時間が流れる静かな空間。

ときおりドリーさんとお話をしながら過ごすここでの時間は、今の私には必要な時間だったのだろう。心がほっこりと解けていくのを感じた。

そんな気分ではない時だって、誰もが持つ心のどこかの小さな何かをここは溶かしてくれるような気がした。
うっかり日が暮れるまで居座ってしまいそうになったが、草津線は一本逃せばいいやでは済まされない。
また近いうちに、すぐに行こう。
* * *
詳しいお店の紹介や背景の物語はここには書く必要がないんじゃないか、直感的にそう感じ、カフェの中で感じたことだけをそのまま書かせていただきました。
コーヒーやケーキ、空間が素晴らしいのは、言わずもがななのだから。
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店舗情報
[店名]DONGREE BOOKS & STORY CAFE
[住所]滋賀県湖南市石部西1−5−7
[電話番号]0748-69-5923
[営業]月・金・土・日
[営業時間]12:00~18:00
[駐車場]第一駐車場(3台)・第二駐車場(4台)・臨時第三駐車場
[支払方法]現金、クレジットカード・電子マネー各種(交通系以外)
[お店のHP・SNS]Instagram・HP