時は文久。近江商人のふるさと・近江八幡の菓子屋で生まれた「蒸し羊羹」が、見習い小僧の丁稚（でっち）の間でたいそう親しまれていたそうな。
お給金の少ない丁稚でも買える手頃な値段だったため、それはいつしか「でっち羊羹」と呼ばれ町の名物に。それはのちの近江を代表する銘菓となり、150年経った今もなお変わらず愛され続けている。
こんにちは。
生まれも育ちも滋賀県。ロモアライターのハナメです。
そんな筆者なのですが、あろうことか滋賀の銘菓である【でっち羊羹】を食べたことがありません。名前は聞いたことあるけど…というゆとり世代でして（汗）、滋賀の魅力発信の担い手としてあるまじき事実…。
ということで、今回はでっち羊羹の発祥のお店『和た与』さんへ伺い、150年受け継がれたという本家のでっち羊羹をいただいてきました！
まず、”でっち羊羹とはなんぞや？”というところから。
でっち羊羹は、こし餡、砂糖、小麦粉を練り合わせたものを竹皮で手包みし、じっくりと蒸し上げて作られた和菓子です。通常の羊羹は寒天で固められますが、海なし県・滋賀ではより身近な小麦で代用されてこのような形に。そのため腹持ちが良く、もっちりとした食感が特徴です。
そんなでっち羊羹の生みの親である『和た与』さんは創業150年。江戸時代の文久3年（1863年）にその歴史は始まりました。それから現在に至るまで「でっち羊羹発祥の店」として変わらぬ味と想いを受け継がれています。
お店があるのは、近江八幡駅からバスで10分弱。観光名所である八幡堀のほど近くにあります。
お店は想像していたより大きく、広い敷地には駐車スペースもたっぷり。
目印となる看板もあり、迷わず到着しました。
滋賀名物・飛び出し坊やのとび太くんに迎えられ、早速店内へ。
ショーケースには【でっち羊羹】と、もうひとつの名物【ういろ餅】がずらりと並んでいます。
その他、季節限定のういろ餅や柏餅、
近江八幡名物の赤こんにゃくや丁字麩もありました。
ギフトやお土産にまとめて購入できますね◎
今回購入させていただいたのはこちら。
・でっち羊羹 ¥356
・四色ういろ餅 ¥432
滋賀で滋賀名物を自分のために買うことはめったにないので、なんだか新鮮…！
帰宅後、早速いただきました！
【でっち羊羹】
ラップを剥がすと天然竹皮のとっても良い香りが…！そっと竹皮をめくると甘い羊羹の香りも漂います。
切り分けていただいてみます。
上品な竹皮の香りをまとった餡子の旨味がふわりと広がります。あっさりしていて食べやすく、甘さもちょうど良いです。とても滑らかなこし餡なので、もっちり弾力のある食感を存分に楽しめます。
『和た与』さんのでっち羊羹は十勝産小豆を使用し、一本一本職人さんの手によって丁寧に作られているそうです。買い求めやすい価格ではありますが、その繊細な味にとても贅沢な気分になりました。
【四色ういろ餅】（黒糖・抹茶・白・さくら）
SNSでもよく見かけていたういろ餅は、滋賀県産の米粉を使用し、こちらも職人さんの手によって一つずつ丁寧に作られているそう。なんでも蒸篭で1時間蒸しあげているそうで、楊枝が跳ね返るほどぷりっぷり。食感は言わずもがな。ういろ餅ってこんなだっけ…と思うほどもっちもちの食感です。
お味の方はというと、
プレーンの白は程よい甘味で素朴な王道の味。
『和た与』さん定番の黒糖はとっても濃厚で甘めの仕上がり。最上級と言われる沖縄波照間島産の黒糖をふんだんに使用されているそうです。
抹茶は甘さ控えめで、あとから抹茶の風味がしっかり感じられます。
さくらは優しい塩味とさくらの風味がふんわり広がります。甘さや風味は控えめなのでさくら味が苦手な人でも美味しくいただけそうです。
ごちそうさまでした！
素朴ながら上品で繊細なでっち羊羹は、歴史を感じながらいただくと格別でした。地元の伝統の味として知ることができて、何だかちょっと誇らしくもなりました。
贈り物や県外の方への手土産にはもちろん、あえての地元観光のお土産としてもおすすめです。
実は食べたことない…という人はぜひ一度味わってみてくださいね♪
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店舗情報
［店名］和た与
［住所］滋賀県近江八幡市玉木町２丁目３
［電話］0748-32-2610
［定休日］火曜日
［営業時間］9:00-18:00
［駐車場］敷地内あり
［お店のHP・SNS］Instagram・HP